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経営と現場のBCPギャップの原因|運用が回らない理由


経営と現場のBCPギャップの原因とは

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同じBCP(事業継続計画)を見ているはずなのに、

  • 経営層は「これで十分だ」と感じている

  • 現場は「正直、使えない」と感じている

このような 認識のズレ は、多くの企業・施設で起きています。そしてこのズレこそが、BCPが形骸化する大きな原因になります。

本記事では、なぜ経営層と現場で受け取り方がズレてしまうのか、経営と現場のBCPギャップの原因を整理します。



原因① 見ている「時間軸」が違う

経営層と現場では、BCPを見るときの時間軸が大きく異なります。

経営層の視点

  • 事業を止めないこと

  • 組織全体の継続

  • 社会的責任・対外的説明

現場の視点

  • 今この瞬間に何をするか

  • 目の前の人・業務をどう守るか

  • 混乱の中での判断

経営層は「数日〜数か月先」を見てBCPを評価し、現場は「今から数分〜数時間先」を基準にBCPを見ています。

この時間軸の違いを整理しないままBCPを作ると、同じ内容でも評価が真逆 になります。


原因② 「リスク」の捉え方が違う

経営層と現場では、リスクの意味合いも異なります。

経営層にとってのリスクは、

  • 事業停止

  • 信用低下

  • 法的・社会的責任

一方、現場にとってのリスクは、

  • 人命への影響

  • 事故・ケガ

  • 現場の混乱や疲弊

BCPが経営リスクばかりを重視している場合、現場は「自分たちのリスクが書かれていない」と感じます。

特に医療・介護現場では、人への影響が最優先 であるため、このズレはより顕著になります。


原因③ 経営層は「完成度」、現場は「使いやすさ」を見ている

経営層がBCPを評価するときは、

  • 内容が網羅されているか

  • 体裁が整っているか

  • 説明責任を果たせるか

といった 完成度 を見がちです。

一方、現場がBCPに求めているのは、

  • すぐ判断できるか

  • 今の状況に合っているか

  • 読む余裕がなくても使えるか

という 使いやすさ です。

この評価軸の違いが、「良いBCPなのに使われない」という状況を生みます。


原因④ BCPが「経営の言葉」で書かれている

BCPが経営層主導で作られると、次のような表現が多くなります。

  • 事業継続

  • 経営判断

  • 組織対応

  • 体制構築

これらは決して間違いではありませんが、現場にとっては 具体的な行動が見えにくい言葉 です。

現場では、

  • 誰が

  • いつ

  • 何をするのか

が分からなければ、BCPは「自分向けではない」と感じられてしまいます。


原因⑤ 話し合う機会がない

経営層と現場のズレは、BCPの内容そのものよりも、話し合いの不足 から生まれることが多くあります。

  • 現場が意見を言う場がない

  • 経営層が現場の不安を聞く機会がない

  • 訓練や振り返りに経営層が参加しない

この状態では、BCPは一方通行の計画になります。


ズレが小さい組織は何が違うのか

BCPが機能している組織では、

  • 経営層と現場が同じBCPを違う視点で見ている

  • 現場の声がBCPに反映されている

  • 経営層が「初動」を理解している

  • 現場が「全体像」を知っている

つまり、視点の違いを前提にすり合わせているという点が大きな違いです。


まとめ:BCPのズレは「自然なもの」


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BCPが経営層と現場でズレてしまうのは、どちらかが間違っているからではありません。

  • 見ている時間軸

  • 重視しているリスク

  • 評価基準

  • 使う言葉

これらが違うのは、自然なことです。

重要なのは、そのズレを前提にBCPを設計・運用しているかどうかです。

BCPが機能する組織は、このズレを放置せず、対話と調整を続けています。


次回予告

次の記事では、「なぜBCPは『読まれないマニュアル』になってしまうのか」をテーマに解説します。

どこで「読む気」を失っているのか。BCPが敬遠される理由を、行動の視点から整理します。

 
 
 

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