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書類上は完璧でも機能しないBCPの典型パターン

更新日:2月16日



BCPの典型パターンとは

BCP(事業継続計画)を確認すると、「内容はよく整理されている」「抜け漏れもなさそう」それでも 災害時に使われなかった というケースは珍しくありません。

実は、“一見よくできているBCP”ほど、現場で機能しないという矛盾した状況が多く見られます。

本記事では、書類上は完璧に見えるのに、実際には使われないBCPに共通する典型パターンを整理します。


ブログ写真6

パターン① 情報量が多すぎるBCP

BCPが機能しない理由として、最も多いのが 「情報過多」 です。

  • あらゆる災害を想定している

  • あらゆる部署の対応が書かれている

  • あらゆる状況への対処法が網羅されている

一見すると理想的ですが、災害直後の現場では、

  • 今、何を見ればいいのか分からない

  • 必要な情報にたどり着けない

  • 読む時間がない

という状態になります。

結果として、BCPは「詳しすぎて使えない資料」 になってしまうのです。



パターン② 災害の「最初」を想定していない

多くのBCPは、復旧や事業継続の視点で作られています。

そのため、

  • 災害発生直後の混乱

  • 情報が入らない状況

  • 判断できる人が限られる時間帯

といった “最初の30分〜数時間” の現実が、ほとんど想定されていません。

その結果、

  • 何から始めればいいか分からない

  • 初動が遅れる

  • 現場が止まる

という事態が起こります。

BCPが機能しないのではなく、最も必要な場面が抜け落ちている のです。



パターン③ 現場の役割が曖昧なBCP


ブログ写真7

BCPの中で、「誰が何をするのか」が曖昧なケースも非常に多く見られます。

例えば、

  • 「責任者が判断する」と書かれているが、その責任者が不在

  • 「現場で対応」とあるが、誰が中心になるのか分からない

  • 職種ごとの役割が整理されていない

この状態では、災害時に必ず 判断待ち が発生します。

特に医療・介護の現場では、

  • 夜勤帯

  • 少人数体制

  • 管理者不在

といった状況が日常的に起こるため、役割が曖昧なBCPはほぼ確実に機能しません。



パターン④ 平常時の延長で書かれている

書類上は整っているBCPでも、内容を見ると、

  • 平常時と同じ人数

  • 平常時と同じ判断スピード

  • 平常時と同じ連絡体制

を前提にしていることがあります。

しかし災害時は、

  • 人が集まらない

  • 連絡が取れない

  • 判断に時間をかけられない

という状況が当たり前です。

平常時の延長線で作られたBCPは、災害時にはその前提がすべて崩れます。



パターン⑤ 「正解」を書こうとしている

BCPが機能しない現場では、「正しい対応」を書こうとしすぎている傾向があります。

しかし実際の災害では、

  • 正解が分からない

  • 想定外が起きる

  • 情報が足りない

という状況がほとんどです。

そのため必要なのは、完璧な正解ではなく、

  • 優先順位

  • 判断の軸

  • 最低限守るべきこと

です。

これが書かれていないBCPは、現場で判断する助けになりません。




機能するBCPは「シンプル」である

実際に使われているBCPには、共通点があります。

  • 最初に見るページが決まっている

  • 情報が絞られている

  • 現場がすぐ判断できる

  • 完璧を目指していない

つまり、“書類としての完成度”より“使われる前提”を優先している のです。




まとめ:完璧なBCPほど危険な場合がある


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BCPが機能しない原因は、「内容が足りないから」ではありません。

  • 情報が多すぎる

  • 初動が想定されていない

  • 役割が曖昧

  • 平常時前提

  • 正解を書こうとしている

こうした要素が重なることで、書類上は完璧でも、現場では使われないBCP が生まれます。

BCPを見直す際は、「これは本当に災害直後に使えるか?」という視点で確認することが重要です。



次回予告

次の記事では、「BCPが形骸化する企業と機能する企業の決定的な違い」を、組織の考え方・仕組みの面から解説します。

BCPが“生きている組織”は、何が違うのか。そのポイントを整理していきます。

 
 
 

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