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災害時にBCPが参照されない理由|現場で起きる5つの壁



災害時にBCPが参照されない理由

現場で実際に起きていること

「BCPはあったのに、災害時には誰も見なかった」これは決して珍しい話ではありません。

実際、災害対応の振り返りを行うと、多くの現場で同じような声が聞かれます。


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  • 余裕がなかった

  • そんなことを考える状況ではなかった

  • どこにあるか分からなかった

  • 見ても役に立たないと思った

本記事では、災害時にBCPが参照されない理由を、現場で実際に起きている状況から整理します。


理由① 災害直後は「BCPを探す時間」がない

災害が発生した直後、現場では次のような状況が同時に起きます。

  • 安全確認

  • 人の把握

  • 情報収集

  • 連絡対応

この段階で現場にあるのは、「時間がない」「情報がない」「人が足りない」という現実です。

この状況下で、

  • 分厚いBCPを探す

  • 目次を見て該当箇所を探す

  • 内容を読み込む

といった行動は、現実的ではありません。

BCPが参照されなかったのではなく、参照できる状況ではなかったというのが実情です。


理由② 「今の状況に合っていない」と感じてしまう

BCPが参照されなかった現場では、次のような声もよく聞かれます。

  • 想定と違いすぎた

  • 書いてある前提が崩れていた

  • 今の状況には当てはまらなかった

例えば、

  • 想定人数が違う

  • 担当者が不在

  • 通信手段が使えない

こうした状況になると、現場はBCPを「使えないもの」と判断します。

結果として、BCPは途中で閉じられ、現場判断に切り替わることになります。


理由③ 誰が見るものか分からない

BCPが参照されなかった理由として、非常に多いのがこのケースです。

  • 管理者用なのか

  • 現場用なのか

  • 誰が最初に見るのか

これが明確でないBCPは、災害時に 誰も手を伸ばしません。

特に医療・介護現場では、

  • 夜勤帯

  • 少人数体制

  • 管理者不在

といった状況が重なりやすく、「判断できる人がいない状態」でBCPが放置されてしまうことがあります。


理由④ 訓練で一度も使ったことがない

BCPが参照されなかった現場の多くでは、訓練でBCPを使った経験がありません。

  • 訓練は別資料で実施

  • BCPは配布しただけ

  • 読み合わせで終わった

この状態では、災害時にBCPの存在を思い出すこと自体が難しくなります。

人は、「使ったことがあるもの」しか、緊急時には使えません。


理由⑤ 「開いても意味がない」と思われている

最も深刻なのは、BCPが “役に立たないもの”として認識されている ケースです。

  • 情報が多すぎる

  • 現実と合っていない

  • 判断の助けにならない

こうした印象が一度ついてしまうと、災害時にBCPは選択肢から外れます。

これは現場の問題ではなく、BCPの設計の問題です。


参照されるBCPは、何が違うのか

実際に災害時に参照されたBCPには、共通する特徴があります。

  • 最初に開くページが決まっている

  • 判断の優先順位が書かれている

  • 情報が絞られている

  • 現場が「自分のBCP」と感じている

つまり、「開く理由」が明確なのです。


まとめ:BCPが見られなかったのは「当然」だった

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災害時にBCPが参照されなかったのは、現場の怠慢や判断ミスではありません。

  • 時間がない

  • 状況が合わない

  • 誰が見るか分からない

  • 使った経験がない

  • 役に立たないと思われている

こうした条件が重なれば、BCPが使われないのは 自然な結果 です。

重要なのは、「なぜ使われなかったのか」を冷静に整理し、次に“使われるBCP”へ変えていくことです。


次回予告

次の記事では、「BCPが更新されない企業に起きている社内事情」をテーマに解説します。

なぜ更新は後回しにされるのか。その背景にある現実を整理していきます。

 
 
 

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