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BCPは分厚いほど安心?|使える計画書の条件

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BCPは分厚いほど安心という大きな勘違い

BCP(事業継続計画)を作成・見直す際、次のように考えてしまうことはないでしょうか。

  • 想定は多いほうが安心

  • 書いておけば対応できる

  • 薄いと不十分に見える

この考え方は一見正しそうですが、現場でBCPが使われなくなる最大の原因にもなっています。

本記事では、なぜBCPは分厚いほど安心という考え方が危険なのかを整理します。



勘違い① 想定を増やせば安心だと思っている

BCPが分厚くなる理由の多くは、「想定を漏らしたくない」という不安です。

  • 地震

  • 台風

  • 水害

  • 火災

  • 感染症

  • 停電

  • 通信障害

これらをすべて詳細に書き込むことで、安心した気持ちになります。

しかし災害時の現場では、

  • どの想定に当てはまるか分からない

  • 複数の事象が同時に起きる

  • 想定外が発生する

という状況がほとんどです。

想定を増やすほど、現場は「どれを見ればいいか分からなくなる」という問題が生じます。

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勘違い② 情報が多いほど役に立つと思っている

分厚いBCPには、大量の情報が詰め込まれています。

  • 詳細な手順

  • 参考資料

  • 背景説明

  • 法令や指針

しかし災害直後の現場では、

  • 長文は読めない

  • 複雑な手順は実行できない

  • 判断に時間をかけられない

情報が多いほど、使うためのハードルは上がります。

結果として、「役に立ちそうなのに使われないBCP」が生まれます。


勘違い③ 「備えた感」が目的になっている

分厚いBCPは、組織に 備えている感覚 を与えます。

  • これだけ書いてある

  • これだけ考えている

  • 問題はないはず

この安心感が、逆にBCPを止めてしまうことがあります。

  • 更新されない

  • 訓練で使われない

  • 見直されない

結果として、BCPは存在するが、動かないという状態になります。


現場が求めているのは「薄さ」ではなく「絞り込み」

ここで重要なのは、「薄いBCPが良い」という話ではありません。

現場が求めているのは、

  • 情報が絞られている

  • 最初にやることが分かる

  • 判断に迷わない

という 使いやすさ です。

実際に機能しているBCPでは、

  • 初動対応は1〜数ページ

  • 判断基準が簡潔

  • 詳細は別資料として分けている

という構成が多く見られます。


医療・介護現場ほど「分厚さ」は不利になる

医療・介護現場では特に、

  • 人命対応が最優先

  • 判断時間が極端に短い

  • 一人あたりの負担が大きい

という特徴があります。

この環境で分厚いBCPを前提にすると、BCPは最初から使われないものになってしまいます。

医療・介護BCPほど、

  • 初動を極限まで絞る

  • 判断を単純化する

  • 現場の裁量を認める

ことが重要になります。


「分厚いBCP」が役に立つ場面もある


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誤解してはいけないのは、分厚いBCPが 不要だというわけではない という点です。

  • 事後の検証

  • 体制の整理

  • 教育・研修

  • 対外説明

これらの場面では、詳細なBCPは重要な役割を果たします。

問題は、それを「災害直後に使う前提」にしていることなのです。


まとめ:BCPは「2層構造」で考える

BCPを機能させるためには、次のように考える必要があります。

  • 災害直後に使うもの

  • 落ち着いてから確認するもの

この2つを混ぜてしまうと、どちらも中途半端になります。

分厚いBCPは、「安心のため」ではなく「支えるため」に存在させる。

そして現場には、絞られたBCP を渡す。

この考え方が、BCPを形骸化させない大きなポイントです。


次回予告

次の記事では、「BCPを『読む』から『見る』に変える考え方」をテーマに解説します。

なぜ文字中心のBCPは使われないのか。現場で使われる形への変え方を整理します。

 
 
 

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